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新築住宅の固定資産税完全ガイド

新築の家を建てる夢を実現する際、多くの人が見落としがちなのが、固定資産税です。
この税金は、土地や建物の所有者が毎年納めるもので、住宅だけでなく、その土地にも課されます。
今回は、新築住宅における固定資産税の計算方法、軽減措置、支払額のシミュレーション、注意点、実務で得た経験から詳しく解説します。

固定資産税とは?

固定資産税は、不動産の所有者が支払う地方税です。
この税額は、毎年1月1日時点での不動産(土地や建物)の所有者に対して、その不動産の評価額に基づいて算出されます。
固定資産税の税率は一般に1.4%(年額)で、これには土地と建物の両方に課せられます。

しかし、土地と新築住宅には軽減措置が適用されますので、単純に評価額に1.4%を掛けた金額より大きく下がります。

ワンポイント

仮に1月2日に新築住宅の引き渡し(決済)を行った場合、固定資産税の納税を約一年間遅らせることができます。

軽減措置

住宅用地の軽減措置

対象となる土地面積要件軽減内容期間
小規模住宅用地200㎡(60.5坪)以下の部分評価額×1/6制限無し
一般住宅用地200㎡を超える部分評価額×1/3制限無し

新築住宅の軽減措置

対象となる住宅軽減内容期間
一般住宅評価額の1/23年間
長期優良住宅評価額の1/25年間
ワンポイント

・築2年の中古の一般住宅を購入する場合でも、新築から3年間は「新築住宅の軽減措置」を受けることができます。

※宅地と住宅用地の違い
 宅地の中で、住宅が建っている土地を(宅地)住宅用地、それ以外(工場、事務所、倉庫、店舗)が建っている土地を宅地といいます。
  住宅用地のうち、200平方メートル分までを小規模住宅用地、それ以外の部分を一般住宅用地といいます。

・現在は、住宅が空き家であっても軽減措置が受けることができますが、「特定空き家」に認定されるとこの軽減措置が受けられなくなります。(空き家対策特別措置法

 計算方法

新築住宅と土地にかかる固定資産税の計算方法は、固定資産の評価額をもとに課税標準額が決定され、課税標準額×税率で計算します。
しかし、上記の表のとおり、課税標準額が軽減措置によって減少します。

わかりやすいように、凡例を用いましょう!

凡例

新築一年目の一般住宅

土地の評価額:1,000万円
建物の評価額:2,000万円
土地の面積:60坪

土地は60.5坪以下なので、評価額が1/6になる軽減措置が使えます。
また、建物は新築1年目なので、評価額が1/2になる軽減措置が使えます。

土地の固定資産税:1,000万円×1/6×1.4%=約2万3,333円
建物の固定資産税評価額:2,000万円×1/2×1.4%=14万円

合計16万3,333円/年

土地の評価額

土地の評価額は、時価の6~7割が目安です。
その用地の種類、面積、そして立地によって異なります。
一般的に、住宅用地は商業用地よりも評価額が低めに設定されます。
土地の評価額は、3年に1度行われる「評価替え」によって見直されます。
評価替えは価格の変化を反映するために行われ、直近では令和3年度に行われました。
固定資産税評価額が変われば固定資産税額も変わるので、税額を算出する前に確認しておきましょう。

建物の評価額

建物の評価額は、建築費用、構造、築年数、床面積、設備の質などに基づいて算出されます。
新築の場合、最初の数年間は評価額が高くなる傾向にありますが、経年とともに減少します。
建物の評価額は、下記の「木造建物減価補正率表」を元に、毎年評価額が下がっていくという特徴もあります。





















































  • 経過年数経年減点補正率
    1年0.80
    2年0.75
    3年0.70
    4年0.67
    5年0.64
    6年0.62
    10年0.50
    15年0.37
    20年0.26
    25年0.21
    27年以上0.20

  • ※法務局 経年減価補正率表参照
ワンポイント

土地の評価額は、3年ごとに見直されます。
建物の評価額は、毎年下がりますが、新築から27年経過するとそれ以降は定額です。

軽減措置の節税のポイント

新築住宅の固定資産税は、特定の条件を満たすことで軽減措置が受けることができます。

 土地(住宅用地)は、60.5坪以下であれば、小規模住宅用地とされ、評価額を1/6に減額することができます。
60.5坪を超える部分でも、1/3に減額することができます。
住宅用地の評価額の減額には、期限がありません。

 建物は、長期優良住宅であれば

  注意点と事前に行うべきチェックリスト

  • 軽減措置の申請
  • 市町村によっては、軽減措置の申請をしなければ、軽減措置を受けれない場合があります。
  • 特定の措置を受ける資格がある場合は、必要書類を準備し、期限内に申請してください。

節税対策
住宅ローン控除やその他の税制優遇を活用し、節税の可能性を探りましょう。
特に、長期優良住宅の認定を受けると様々な節税効果があります。
しかし、長期優良住宅の申請を行うにも費用が発生するという一面もあります。
費用に対してどのような効果をもたらすかを、事前に把握しましょう!

  • 固定資産税の滞納
     固定資産税を滞納すると、遅延損害金が発生します。
    遅延利息は年度ごとに定められ、令和4の場合は納期限の翌日から1か月まで「2.4%」、それ以後は「8.7%」です。
    納期限の1か月後を境に利息が高くなるので、できるだけ早めに納めるようにしましょう。
    なお、滞納したまま放置しておくと、財産を差し押さえられる可能性もあります

固定資産税に関連する都市計画税とは?

固定資産税に関連する税金に都市計画税があります。
都市計画税は、都市整備などの費用として課税される目的税です。
毎年1月1日に固定資産課税台帳への登録がある方を対象として課税され、計算方法は「固定資産税評価額×0.3%」の式を用います。
固定資産税と併せて都市計画税も徴収されることがあります。

新築住宅の固定資産税は、購入前にしっかりと理解しておくべき重要なポイントです。この記事で紹介した情報を活用し、賢い家づくりと税金対策を実現してください。

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